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視察レポート

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平成19年10月31日 政策調査会 ホームレス等対策部会 行政視察報告 (4/4)
台東区北部地域簡易宿泊所について(簡易宿泊所の変貌と行政施策)

城北旅館組合と台東区役所職員の方が同席の上で、地域実状についての話を聞かせて頂いた。東京では、組合と行政が良好な関係のもと、地域の街づくりが動いているような印象を受けた。

城北旅館組合は平成19年10月現在で160軒(台東区128軒・荒川区32軒)で構成されている。最近の労働者の減少などもあって、旅館の軒数も減ってきている。一軒あたり35〜50室で、木造が50軒ほどある。宿泊料金は、1,000円〜3,500円/日ぐらいで、長期滞在の場合は割引などがある。東京都では、簡宿での生活保護適用を認めており、宿泊施設としてではなく、当に住宅として住んでいる方も多く存在する。西成区の住民票問題のようなケースが起こり得ないか確認してみると、「退去されて住民票を残されたままになるケースが複数件存在してしまうことはある」という返答で、居住実態の無い住民票が大量に登録されることは先ず有り得ないという様子であった。

山谷地区の簡易宿泊所でも、最近、外国人旅行者などが数多く訪れ、マスコミなどでも報道がなされている。そんな中、ビジネス・観光客等の誘致を目的として、既存の簡易宿所の設備を改善、又は住宅に転用しようとする簡易宿所事業者に対して、その費用の一部を助成する「北部地域簡易宿所転換助成制度」というものが、台東区において平成14年から創設された。

ところが、趣旨は理解できるものの当初は使い勝手の悪い制度であり、旅館組合からすれば廃業を求められているかのようにも受け止められかねない制度でもあったということで、制度活用実績は上がらなかった。組合と行政側も意見を交わし、平成18年4月〜、浴室整備やIT環境の整備など7つの助成項目に細分化することで現在は実施されている。

現在、山谷の簡易宿泊所は三つのタイプにわかれ、旧来型労働者向け宿所・ビジネスマン向け宿所・外国人向け宿所、がある。対象宿泊者が混在している所もあるが、外国人に限定している所もある。その中で、今注目されているのが、外国人宿泊者の増加である。城北旅館組合では、これまで数値のカウントはしていなかったが、今年夏から毎月調査を始めた。11軒の宿において、8月1日264人、9月1日204人という結果。荒い計算でも年間7〜8万ぐらいの外国人が訪れている事になる。また、アジアからの宿泊者が4割、欧米系が6割というのも一つの特徴と言える。

実際に、幾つかの宿所を見せて頂いたが、値段を考えると決して悪くない環境である。特に、寝れれば良いという感覚のバックパッカーにとっては、格安で少し自炊などもできるような設備が整っている簡易宿所は格好の場所という位置付けになるのであろう。地区内には、旅館組合に所属しない宿もあり、新規で簡宿的な安い宿形態での宿泊所を建設・運営しているような所もあった。

ホームレス対策との関係や地域も巻き込んだ街づくりの動きなどについては、あまり進展が見られていない様子であった。旅行者の増加に伴い、周辺地域でもお金を落としてもらえるような飲食店などが出てきているわけではなく、あくまでも寝泊りの場所としての位置付けで、遊んだり食べたりするのは他の場所が選択される傾向にある。交通至便が良いことも返って山谷地域での滞在時間を短くしているのかもしれない。

しかし、今後はそういった周辺地域との連携も必要となってくるであろうし、あいりん地区も含めた安い宿のある場所のネットワークを構築することで、より効果的な旅行者の取り込みを期待していきたい。

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