平成18年12月19日
大阪市長 関 淳一様
自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団
幹事長 大丸 昭典
政調会長 多賀谷 俊史
政調会災害対策研究部会長 床田 正勝
我が国においては、平成7年1月17日に発生した「阪神・淡路大震災」により6千人を超える死者及び4万人以上の負傷者など甚大な被害が生じたのは言うに及ばず、近年各地においてもさまざまな災害による多くの被害が発生している。
本市においても、本市直下を縦断しておりいつ起きてもおかしくないとされる上町断層における地震や、今後30年以内に高い確率で発生すると予測されている東南海・南海地震など、災害に対する市民の不安は高まるばかりである。
我が議員団としては、市民の生命と財産を守るため、今年度より政策調査会において新しく災害対策研究部会を設立し、本市における防災対策をはじめとする危機管理体制のあり方などについて、更に議論を深めているところである
ついては、平成19年度予算を編成されるにあたり、市民が求めている『安全で安心して暮らせるまちづくり』をより充実させるよう、災害対策に関する以下の諸点について強く要望するものである。
平成19年度予算 要望内容
- 平成19年度の改訂における地域防災計画の充実
(回答)
本市では、阪神・淡路大震災を教訓に、平成9年に、直下型地震や海溝型地震を想定した被害想定を行い、地域防災計画(震災対策編)を策定し、全市をあげて、防災対策に取り組んできた。
しかし、阪神・淡路大震災から10年以上が経過し、国から、地震の規模などに関して新たな想定がなされてきたことから、昨年、地震被害想定の見直しを行ったところ、従前よりも大きな被害が想定されることとなった。
来年度に予定している地域防災計画の見直しにあたっては、施設の耐震化や避難対策、地域自主防災の充実など、ハード・ソフト両面にわたる防災対策の充実・強化を図ることとしている。
さらに、19年度の見直しに引き続き、20年度には、地域防災計画の実効性を担保するため、減災の具体的な数値目標の設定や、それを実現するための事業計画の策定を行う。
また、地域防災計画における各種計画の記載にあたっては、防災関係者だけでなく、一般市民にも分かりやすい表現で、簡潔にまとめるよう努める。
(予算措置の状況)
防災関係 平成19年度 544億8,200万円
(平成18年度 490億1,300万円)
- 地域防災計画市民版の作成と全戸配布
(回答)
本市では、阪神・淡路大震災後の平成9年に地震の基礎知識や防災の心構えなどを掲載した「市民防災マニュアル」を作成し全戸配付した。
危機管理室では、平成17・18年度の2年間で「地域防災力の向上に関する調査」を実施しているが、その中で今までに21区でワークショップを開催し、参加された市民から様々な意見や要望、具体的な実践例などをお聞きしたところである。
大規模災害発生時に被害を最小限に抑えるためには、自助・共助による地域における防災活動が不可欠であることから、ワークショップを通じて得られた貴重なご意見などを参考にして、行政の役割と市民の役割を明確にし、市民が自発的・主体的に防災活動に取り組むときに活用できるものとして、地域防災計画市民版、いわゆる「市民防災マニュアル」を、19年秋ごろを目途に作成し全戸配付する。
(予算措置の状況)
市民防災マニュアルの全戸配布 平成19年度 4,300万円
- 災害実態を考慮した新しい形態による防災訓練の実施
(回答)
阪神・淡路大震災を教訓として、大阪市総合防災訓練や区震災訓練など、これまで、地震発生直後の応急対策を中心として、関係機関とも連携しながら初期初動体制の充実・強化に重点をおいた総合的な訓練を実施してきた。
今後は、災害ごとの実態に応じた新しい形態の訓練として、例えば、避難所は大災害発生時に非常に重要な施設であり、地震発生直後には、住民自らの「自助」、「共助」による運営管理が必要であるため、地域住民が主体となった実践的な訓練を実施するなど、地域の特性に応じた訓練を区役所と連携して企画し実施する。
一方、職員に対しては、緊急本部員・緊急区本部員をはじめとする初期初動対応の主力となる職員を対象に、いかに速やかに本部体制を立ち上げるかを主眼として参集訓練に取り組んでいくとともに、災害対策本部長(市長)、区本部長(区長)を始め各所属長以下の職員それぞれが自らの役割を認識し、与えられたシナリオ通りの動きをするのではなく、自らが判断して柔軟な対応を行う、より実践的な訓練を実施していく。
(予算措置の状況)
防災訓練 平成19年度 2,000万円
(平成18年度 2,000万円)
- ライフライン各事業者と連携した耐震・耐水化の推進及び迅速な復旧体制の構築
(回答)
電気・ガス・水道などのライフラインは、市民生活や産業活動を支える重要な都市基盤であることから、大規模な災害時であっても、できるだけ被害を出さないことと、被害が発生しても早期に復旧ができるような体制を確保しておくことが必要である。
そのため、来年度の地域防災計画の改定において、ライフラインの耐震化などの予防対策についてさらに充実・強化していくとともに、各ライフライン事業者と連携・協力しながら、被害が発生した場合の具体的な復旧のあり方などについても検討し、復旧体制を構築してまいりたい。
(予算措置の状況)
ライフラインの耐震化 平成19年度 166億4,700万円 ※
(平成18年度 151億5,300万円) ※
※ 水道施設の耐震化、下水道施設の耐震化、共同溝の整備
- 飲料用耐震性貯水槽の増設等、大規模災害時の飲料水確保の推進
(回答)
飲料用耐震性貯水槽は、各区に1つ設置している飲料水兼用の防火水槽に加え、広域避難場所となっている大公園を中心に整備を進めており、現在、8か所の公園において整備ができている。
現在整備を進めている沢之町公園では、平成19年度から新たに運用を開始する予定であり、今後も、条件が整った公園から整備を行うこととしている。
さらに、水道施設の耐震化等の施設整備と整合を図りながら、応急給水体制の充実を進めることとしており、平成19年度には、新たな地震被害想定に基づく応急復旧・応急給水計画について調査・検討を行うなど、大規模災害時の飲料水の確保に努める。
(予算措置の状況)
飲料耐震性貯水槽の整備 平成19年度 − 円
(平成18年度 1億6,000万円)
新想定地震動に基づく応急復旧・応急給水計画に関する調査検討
平成19年度 800万円
(平成18年度 − 円)
- 住宅等の耐震診断、耐震改修の業務の一本化及び相談窓口の拡大
(回答)
住宅等の耐震診断、耐震改修に係る業務は、市民への普及啓発、補助・融資制度、耐震改修促進法にもとづく認定などについて、関係局が連携して取り組んでいる。
今後は、大阪市における住宅等の耐震改修がより促進されるよう、業務の一本化について検討してまいりたい。
また、耐震改修を促進するため、これまで各種のパンフレット配布や広報紙への掲載、耐震化キャンペーンの開催など広報活動に積極的に取り組んでおり、相談窓口については、補助制度に関して日常の相談を行っているほか、府下の行政庁や建築関係団体が連携し、大阪建築防災センターを窓口として、耐震診断・改修に関する相談、耐震診断技術者の紹介を行っている。
さらに、年2回の建築物所有者向けの講演会にあわせ相談会を実施している。
今後は、本市の住まいに関する相談や情報提供を行っている関係局が連携を深め、相談窓口の拡大についても検討してまいりたい。
(予算措置の状況)
既存民間建築物の耐震性向上促進施策 平成19年度 4900万円
(平成18年度 3700万円)
- 公園・学校等災害時に避難場所となる施設における緊急生活器具や救助資機材の整備促進
(回答)
本市では、大規模災害発生直後に市民による自主的な防災活動が円滑に行えるよう、小中学校の収容避難所や一時避難場所である公園などに設置されている可搬式ポンプ庫など、市内約1100ヵ所に、救助活動に必要なバールやスコップなどの資機材セットを配備している。
また、市内約540ヵ所の収容避難所や24区役所には、災害発生直後に避難市民がすぐ必要となる食糧や飲料水、生活物資などを備蓄している。
しかしながら、地域によりその災害想定(地震・水害・津波など)や被害想定が異なることから、今後は、それぞれの特性に応じたきめ細かな対応策を講じていく必要がある。
平成19年度には、「地域防災活動支援事業」により、それぞれの地域で必要な資機材の整備や、講演会・研修会・各種訓練の実施など、地域における自主防災活動を支援してまいりたい。
(予算措置の状況)
地域防災活動支援事業 平成19年度 5,900万円
(平成18年度 5,100万円)
- 小中学校での防災教育のさらなる充実実施
(回答)
教育委員会としては、防災教育の充実に向け、各校園に対し、「子どもの安全を守るための防災指導の手引き」(平成8年1月)の活用と安全指導の徹底、「警備及び防災計画」の点検・改善、教職員の防災訓練や子どもの避難訓練の計画的な実施と評価など、さまざまな観点から災害に関する安全対策をとるよう指導に努めているところである。
各校園では、防災に関する指導を、学校安全のねらいである「幼児、児童及び生徒が、自他の生命尊重を基盤として、自ら安全に行動し、他の人や社会の安全に貢献できる資質や能力を育成するとともに、積極的に安全な環境づくりができるようにすること」をふまえ、幼児・児童・生徒が防災についての知識を身につけ、安全に避難する方法等について理解し、状況に応じて自ら安全に行動できる態度や能力を養うべく、計画的・継続的に実施している。
また、各校園では避難訓練がより実効的なものになるよう、事前指導のあり方や実施時間帯を変えるなど、訓練の条件を工夫して実施している。事後指導では、消防署など関係機関の方々にご指導いただくなどして、訓練での成果と課題について適切に指導できるよう工夫をしているところである。
さらに、小学校では、文部科学省作成冊子「子ども科学技術白書Z 地震災害を究明せよ」等の資料の活用をはじめ、阿倍野防災センターの見学など、児童の実態にあわせて各校において工夫して防災教育を実施している。
阪神淡路大震災の教訓をふまえ、今後さらに本市防災教育の充実に向け、各校園に対し指導・助言に努めてまいりたい。
- 大阪市の災害対応体制についての以下の項目の早急な実施
- 地域防災計画の動員計画に基づく職員参集制度の周知徹底
- 災害時の職員参集における直近参集職員の役割の明確化
- 迅速な災害対応に配慮した職員の市内居住の推進
- 災害時における優先順位を付した代行者の設定など所属対応(危機管理)体制の確立
(回答)
大規模な災害発生時に、本市職員が速やかに市役所や区役所に駆けつけ、市の対策を推進し、市民の救助活動などを開始することは、被害の軽減を図る上で、非常に重要である。
本市としては、必要な要員を確保するため、今後とも市内居住の重要性を職員個々が認識するよう啓発に努めていくとともに、一旦災害が発生したときには、職員には当然参集する責務があることを、各所属ごとに、毎年人事異動後の動員体制とあわせて職員へ周知するとともに、全市的な防災研修・訓練を通じた周知徹底にも努めていく。
また、地域防災計画に定める直近参集については、直近参集職員の受け入れ所属や役割の明確化を図るよう、各所属間の調整に努めていく。
さらに、平成19年度からは、災害時などの緊急時に、臨時的に、所属長の権限を行使できる、いわゆる「代行者」を危機管理室に報告することを制度化し、危機管理体制の充実を図ってまいりたい。