![]()
平成19年2月16日の本会議において行われた市長の平成19年度予算案並びに関連諸案件の説明に対して、2月20・21日の本会議で代表質問が行われました。我が会派議員団を代表して、20日に美延映夫議員、21日に北野妙子議員よりそれぞれ行われた質問項目は次のとおりです。
| <<2月20日美延映夫議員 | 2月21日北野妙子議員>> |
北野妙子議員
私は一昨年の11月の初当選以来、1年3カ月、議員としての活動に専念してまいった。これまで積み重ねてきた市民として、女性としての視点をフルに生かし、生活者の1人として率直に、時には素朴な質問も交えることをお許しいただき、市長に対し質問を展開してまいりたいと思う。
市長が「改革と創造」と高らかに宣言された、大阪市がめざす都市像、創造都市戦略について尋ねる。
行政主導から、市民主導の取り組みへ、協働による取り組みへと軸足を移していく考え方ですが、このような転換は、行政だけでなく、市民にとってもまったく経験のないことであり、市民の方々にも、自らが主体的に動くかどうかで成果に大きな違いが出てくるということを、理解していただかなければならない。
この方向は、大阪市の行政の文化や風土を180度変えるといってもよい大転換であるが、新たな都市経営を考えるにあたって、想定する都市の姿には、創造都市以外にも、ニューヨーク、ロンドンのような世界都市、お隣の神戸のような医療産業都市、また北欧のような福祉先進都市などのいろいろな方向が考えられたはずだ。では、どうしてこの創造都市という道を選ばれたのか、市長の思いの根本のところをまずお尋ねする。
このたび助役を副市長に改められるのに合わせて、創造都市戦略推進のために全庁を束ねる舵取り役として、専任の副市長を置くぐらいの覚悟がいるのではないか。
この戦略は、市政改革が一定の進捗をみる中で、次のステージに移る時期と考え、示したものである。
大阪のポテンシャルである、大都市として培ってきた人材の蓄積に注目した戦略である。この蓄積を生かし、創造的な人材の活発な活動を通じて新しい文化を生み出し、産業化にもつなげ、人材や企業が集まる都市をめざしている。
大阪には、市民・民間の力でまちをつくってきた輝かしい歴史があり、市民主導の都市のDNAが生き続けている。このDNAを今一度思い起こし、市民や企業にも意識や行動を変えていただくことで、大阪は大きく変貌すると確信している。
創造都市戦略は、市政改革と不即不離の重要なものであり、私自らが本部長として先頭に立って強力に推進するため、(仮称)都市創造・プロモーション本部を、4月にも設置する。戦略の推進には市民・民間との協働の取組みが重要であり、その橋渡し役となる、総合的なプロデュース人材の登用も検討していく。
さらに、創造都市づくりの中核となる人材や団体に対して、積極的なプロモーションを行うことはもとより、創造都市に関する研究組織を持つ市立大学に、推進をバックアップする体制の構築を働きかけるなど、新しい世紀の都市のモデルとなる大阪市の実現に、全力をあげて取り組む決意である。
以下、創造都市戦略を推進するにあたり、具体の7項目にわたって尋ねる。
初めに、各区や地域では、これまで地域の活動団体の方々を始め、区民の多くの方々がまちづくりに関わって様々な活動をされ、未来わがまちビジョンや地域福祉アクションプランの取り組みなどにも参画していただき、尽力されてこられた。
創造都市戦略において、区や地域と連携し、市民からの意見・提案の具体化に向けた仕組みをつくるとのことですが、新たな組織をつくることを意味するのか。市民主導の創造都市づくりを進めるうえでどのように取り組んでいかれるのか。
地域では多くの区民の方々が様々な地域課題の解決に向けた取組みを重ねておられる。
これらの方々が「区政改革基本方針(案)」に示したような「幅広い人々や活動団体等が参画し、様々な地域の課題解決に向け議論を重ね、魅力あるまちづくりをめざす場」いわゆる「地域活動プラットフォーム」の中核を担っていただくなど、今後ともまちづくりの担い手として重要な役割を果たしていただけるものと期待している。地域が抱える課題やニーズはおのずと違いがあるため区役所がコーディネート役を担い、それぞれの区や地域の特性に応じたまちづくりを推進していきたい。
創造都市づくりを進めていくうえでも、区や地域での取組みが極めて重要であるが、区レベルで創造都市戦略推進のための新たな組織をつくるのではなく、現在の地域における活動を基礎に、協働による取組みの具体化や創造都市戦略のバージョンアップに向けて、市民とのコミュニケーションを深めていきたい。地域における活動の気運を高めることによって、より幅広い参画を得たまちづくりにつなげ、市民主導の創造都市づくりに取り組んでいきたい。
創造都市戦略では、「創造人材の群生をつくる」と謳われているが、創造性豊かな人材を育成するには、次代を担う子どもたちに対し、人間性や創造性の基礎をかたちづくる幼少期から、身近な場所で一流の芸術文化等に触れる機会を提供し、「本物の体験」を通して感性を育んでいくことが大切ではないか。
子どもたちの創造性を高めるために、大阪を発祥とする文楽などの伝統芸能や一流の音楽・演劇などに触れる機会の充実を図るとともに、体験学習という観点では、創造性豊かな大阪人の基礎づくりのほかに、保育や福祉を体験することを通して人間性を養うことも必要だと考える。
また、本市の貴重な文化資源であり、本物の作品・資料を豊富に収蔵する博物館や美術館を、例えば広報物にちょっとした工夫をすることなどにより、子どもたちがもっと身近に感じ、繰り返し訪れたくなる施設にすることによって、「本物」が日常的に体験でき、生活の中に特別なものではなく自然なものとして入り込むような、仕組みづくりに取り組んでいただきたいと考える。
大阪の文化ブランドである文楽等の伝統芸能や音楽など第一級の芸術文化に触れ、学校等の身近な場所で芸術家との交流を通じて実体験ができるプログラムの充実を図ることで芸術文化の裾野を広げるとともに、子どもの創造性を育む環境づくりに努めていく。
また、学校の教育活動に幼稚園・保育所での保育体験や高齢者との交流をより一層取り入れていく。さらに科学好きの子どもを育てるため、科学館や産業界、大学等の優れた人的・物的資源を小学校の5・6年生の理科授業に活用する理科支援員等配置事業を、新たに19年度より実施する。
本物の宝庫である博物館や美術館においても、子どもにとってさらに身近な施設とするため、19年度新たに各館の主要な作品や資料をわかりやすく紹介する学校用副読本を作成して市内全小・中学校に配布するとともに、学芸員による教員研修の支援など連携強化を図る。
また、ミュージアムコンサートや伝統芸能の上演等を通して新たな魅力を作り出す。さらに、展覧会によっては子ども向けの魅力ある広報物を作るとともに、これを活用した親子割引など、親子で施設を訪れてもらうための工夫をする。それらにより博物館や美術館を、子どもたちが繰り返し訪れ、いつでも芸術文化、自然そして科学の世界に触れ、創造性を育むことができる拠点としていく。
この夏には世界陸上大阪大会が開催される。この絶好の機会を逃すことなく、できるだけ多くの子どもたちに大会を観戦してもらい、大きな夢や感動を与えることも大会開催の目的の1つではないか。
また、創造的な都市活力を高めていくためには、経済の活性化を担う人材が不可欠であり、特にものづくりには、社会ニーズや時代に対する先見性や創造性が重要。
大阪では、松下幸之助氏、鳥井信治郎氏、安藤百福氏など、日本経済を支え国際的にも高く評価された創業者・技術者を輩出してきた。今後もこの流れを継承し、次世代の大阪経済を担う、優れた経営者・技術者を生み出していくためには、子どもの頃から、先人の偉業を学び、実際に活躍する企業人などから「ものづくり」の大切さを知ることのできる機会を提供するなど、長期的な視点に立った人材育成が必要ではないか。
この夏、開催される世界陸上大阪大会には、できるだけ多くの子どもたちに観戦し感動してもらえるよう、現在、8万人を目標として取り組んでいる。
世界のトップアスリートの挑戦を目の当たりにすることは、子どもたちにとって素晴らしい体験であり、健やかな成長を促すことになり、生涯スポーツの振興にも繋がると考えている。長居陸上競技場が、子どもたちの歓声に溢れ、心に残る大会となるように取り組んでいく。
また、将来の大阪経済を担う子どもたちの育成については、新たに実施する「未来の創業者/ロボット技術者養成講座」において、大阪産業創造館にある「大阪企業家ミュージアム」で優れた経営者の足跡を体感したり、本市の重点産業分野であるロボットを教材にして、最前線で活躍する技術者等から指導を受けるなど、本物に触れる体験の機会を充実していく。
創造的な芸術活動には、創作、練習、発表の機会とその場所が不可欠であり、情報を共有して、互いに活用できる仕組みを構築し、パソコンや携帯電話からもアクセスできるようにしていけば、芸術文化活動の裾野が広がり、ひいては創造都市の実現に大きく寄与するのではないか。
また、市民が芸術文化活動を行うにあたって、市内で気軽に利用できる施設がまだまだ十分ではない。
市民や地域にとって身近な元学校施設など、現在使われていない公共施設をはじめ、民間施設まで含めると、市民に有効に利用してもらえる遊休施設が数多くあると思う。これらを、市民の芸術文化活動の拠点として柔軟に活用できれば、地域の活性化につながり、広く市民にも、また芸術家の方々にも喜んでいただけるものと考える。
本市をはじめ、市民、企業、NPOなどが有する芸術文化情報を一元的に収集・蓄積し、芸術家はもとより広く市民にも、創作、練習、発表の場などに関する情報とあわせて、わかりやすく提供することとし、利用しやすい工夫に富んだ新たなウェブサイトの構築に、平成19年度より取り組んでいく。
また、市民の芸術文化活動の場として、本市の施設については、資産流動化の観点から今日的役割や費用対効果も含め、まずそのあり方を精査することが必要であるが、身近な存在である元学校施設など現在利用されていない公共施設や、住まい公社の川口住宅、民間の遊休施設等を、芸術文化活動の拠点として有効に活用することについて、利用者のニーズを踏まえ、地域や企業の方々のご意見ご協力も頂きながら連携・協働のもと検討していく。
また、市民が豊かな気持ちで快適に暮らしていくためには、自分が住む地域に誇りと愛着をもてることも重要であると考えている。
大阪には住宅地としての長い歴史があり、都会にあって豊かな緑や水に接することができるなど魅力的な地域もたくさんある。また、何気ない街並みや路地であっても、心が落ち着く、元気になれるといったような魅力にあふれた空間となっているところが少なくない。こうした有形無形の魅力を引き出し、次の世代へと引き継いでいく取り組みが何よりも重要。
平野郷や住吉大社周辺、空堀といった、伝統的な町家や長屋の残る住宅地において、その特色を活かし、また、地域の人たちと連携しながら、修復型のまちづくりを進める「HOPEゾーン事業」や、上町台地の広いエリアを対象にもう少し広い範囲での「マイルドHOPEゾーン事業」に取り組んでおり、その成果も着実に現れているようだ。
こうした事業について、着目すべき魅力をもっと身近なもの、もっと多彩なものへと広げ、地域の実情を良く知っている地域の方々や区役所などとも連携しながら、より多くの取り組みを進め、それぞれの地域でのまちづくりが市全体にネットワークしていくことが必要だと思うがどうか。
市民が愛着と誇りをもてる住宅地づくりは重要な課題であり、地域の特色に応じた修景等を行うHOPEゾーン事業やマイルドHOPEゾーン事業を積極的に推進する必要があると考えており、住む人や訪れる人にとって、心豊かに感じる居住地の創出をめざす。
来年度新たに、船場など3地区で事業化に向けた整備方針策定調査を実施していく。
事業の展開にあたっては、町家や長屋といった歴史的な街並みに加え、近代建築や地域のランドマーク、商店街の賑わいなど、まちの身近な魅力資源に着目するとともに、区役所等との連携、地区相互のネットワーク化を図るなど、次世代に引き継げる魅力ある居住地づくりに、より一層積極的に取組んでいく。
創造都市戦略の中でも課題として挙げられている放置自転車対策だが、この問題については、解決の兆しが一向に見えない中、抜本的な解決に向けた取り組みが必要。それは、利用者のマナーの問題や道路交通法による規制の限界などもあり、本市が進めてきた対策が、放置を生み出す背景にまで踏み込めず、放置された後への対応に終始してきたからではないかと考える。地域ごとに異なる放置自転車の発生原因を把握した上で、解決方法を探っていくことが必要ではないか。
全国で「放置自転車の多い駅ワースト10に大阪市内の駅が3駅入っている」、このことは大問題。パブリックコメントの際にも、関心の高さがうかがえる。そこで「自分たちのまちは自分たちできれいにする」という考えのもと、地域の方々の御協力を得ながら、行政が一緒になって取り組んでいくことが重要。ただ、いきなり、すべてを地域ボランティアに委ねるということは難しい。まずは、現在17駅で実施している市のサイクルサポーターの拡充も視野にいれながら、相互の活動が補完的な役目となるようにすべきだと考える。
放置自転車対策については、本市の大きな課題であり、問題解決には現在の施策のあり方とその中での本市が果たす役割を抜本的に見直し再検討する必要があると認識している。
事業面では、駐輪場に指定管理者制度を導入するほか、道路占用許可制度を活用する等民間ノウハウの導入に努めていく。
啓発については、地域の方と行政が一体となり放置自転車問題を考えるための協議会のように、住民参加型地域活動の更なる展開が重要と考えており、サイクルサポーター制度のあり方も含め、本市としても効果的な啓発施策を検討し、地域ボランティアと連携を図っていく。
創造都市戦略におけるリーディングエリア中之島の、「東部エリアのまちづくり」についてだが、来年度より始まる中之島公園の再整備にあたっては、川と一体となった水辺空間の創出や、中央公会堂などの施設との連携を図りながら、昼のにぎわいとともに夜も安心して楽しめる場所として、市民や観光客が訪れたくなるような公園にしていただきたい。
特に、冬の風物詩として、90万人が集まるイベントに成長した「光のルネサンス」は、クリエーターや企業、NPOなどの参画によって拡大されてきた。単にイベントを開催すればよいというわけではないが、例えば、この中之島エリアへの「ビジター500万人構想」といったものを打ち出し、中之島を舞台にした創造的な取り組みを進めることが重要だ。
水都大阪のシンボルにふさわしい中之島にしていくために、今後、どのように取り組まれるのか。
中之島公園の再整備は、一部水辺整備などを除いて、中之島新線の開通に合わせ、平成20年度に完成する予定であり、現在検討を進めている整備内容としては、川沿いを回遊できるリバーウォークや川辺のカフェテラスの設置など、水辺の特性を生かした憩いの場所とすることや、様々なイベントが開催できる広場を整備し、にぎわいのある場所とすること、さらに、照明による夜景の演出も計画している。
また、「桜の会・平成の通り抜け」事業や対岸で整備中の八軒家浜との連携を図ることで、中之島をより魅力ある空間とする。
今後、中之島にある各施設の活用を図り、一層の集客をめざす光のルネサンスをはじめ、中之島国際音楽祭や中之島ミュージックカーニバルなど様々なイベントを、マスコミの協力も得て、官民連携のもとに開催し、にぎわいのある中之島を創出する。
四季折々に風景を変える公園の花や木々を生かして、イベント開催時はもとより、日常的に市民や観光客が憩える公園として魅力づくりに努め、中之島を水の都大阪のリーディングエリアとして、集客をめざしていく。
私は、子どもを生み、育て、働く女性として、少子化対策は非常に重要な課題だと考える。
平成17年度の国の合計特殊出生率は1.26であり、大阪市はさらに低く1.15です。18年度は若干増加の見込みではありますが、少子化の流れは止まっていない。
国や市においても、少子化対策として経済的支援策を打ち出しているが、それだけで解決できるのだろうか。
少子化の大きな要因のひとつとして、第1子出産を機に働く女性の約7割が離職していることにも象徴される、「子育てと仕事の両立の困難性」があると考える。いったん離職すると、なかなか思うように再就職できないのが現状であり、30代の女性の再就職率は約5割。
私は、大阪市が先頭に立って、仕事と家庭生活が両立できるワークライフバランスの考え方を、企業をはじめ社会全体に根付かせ、働き方の見直しを進め、子育てをしながら働き続けられる、また、再チャレンジができる都市を目指す必要があると考える。
医療においても、女性の進出はめざましく、医師国家試験合格者の中での女性の割合は、ここ数年連続で30%台が続いており、近い将来、女性医師が過半数に達するともいわれている。一方、20代で40%を占めていた女性小児科勤務医師が30代以降は激減しているとの調査結果も出ている。つまり深刻な社会問題になっている産科・小児科等の医師不足の背景にも、女性医師の仕事と子育ての両立が困難な状況が一因として存在することが考えられる。
産科医師の確保の困難性から、撤退を余儀なくされる病院も増加している今日、安心して出産できる産科に対する市民のニーズはますます高まっている。
そのような中、私の地元、淀川区にある、十三市民病院に勤務されている女性産科医が昨年出産された後、現在育児休暇を取得中でありますが、代わりの医師も確保されていると聞き、大変心強く感じている。安心安全な医療を提供していかなければならない市民病院において、このような、女性医師が子育てと両立して働ける環境整備や、また育児休業後、復帰するための再教育支援を進めることは喫緊の課題であると考える。これは同じ医療現場の看護師にも、さらには、働きながら子育てを希望している、多くの女性たちにも共通するものである。
この女性たちの切実な希望を叶えるために、「できることは何でもやる」という本市の姿勢を示していただきたい。
子育て世代が仕事と家庭を両立できる環境を整える、ワークライフバランスの取組みを進めることは、社会のあらゆる分野で男女が共に個性と能力を十分に発揮し、豊かで活力ある社会を築く上で大変重要であるとともに、安心して子育てができる環境整備という点で、少子化対策にも貢献するものと考える。
昨年8月、子育て世代の男女の仕事と家庭の両立を支援する「助役プロジェクト」を設置し、女性の就業継続や再チャレンジを支援する施策、企業における両立支援の取組みを促進する施策等について、局横断的に検討している。
19年度重点事業としては、子育て支援や両立支援等の情報を携帯電話へ配信する「私も子どもも育めーる」事業や、母親教室で妊娠時からのライフプランニングを支援する「ママの人生応援アドバイザー派遣」事業などを実施するほか、仕事と家庭の両立支援の取組み等を顕彰する「きらめき企業賞」受賞企業の参画による「大阪市きらめき会議」を設立し、市内中小企業の取組みを官民協働で推進していく。
市民病院においても、診療の現場に復帰する際の不安感を解消するため、まず19年度には、復帰のための個別の再教育を実施し、支援プログラムの策定にも着手する。
安心して子どもを生み、育て、働き続けられる社会環境を整えるために、今後も仕事と家庭の両立を支援する施策を積極的に進め、きめ細かな行政サービスを実施するとともに、管理職や審議会委員への登用など、意思決定への女性の参画を一層進めていく。
次に不妊治療についてであるが、近年、ライフスタイルの変化や晩婚化により、不妊症の方が増えている。
高度な不妊治療は保険の適用外であり、場合によっては1回に40万円以上も費用がかかり、経済的な負担が大きく、我が会派も制度の充実や医療保険の適用について国に要望している。
来年度から不妊治療費助成事業が拡充されることは、子どもを持ちたいと思っておられる方には、大変朗報であり、引き続き積極的に取り組むべきであると考える。
平成19年度から助成額の増額や、所得制限の緩和など、不妊治療費助成の充実に向けて予算計上したところである。
安心して不妊治療を受けていただくため、今後とも助成制度の充実はもとより、保険適用についてより一層早期の実現に向け、引き続き国に対して働きかけながら事業の一層の推進を図っていく。
本市では、新婚世帯や子育て世帯向けの各種の住宅施策を推進しているが、中でも、平成17年度から実施している「子育て安心マンション認定制度」は、ハード・ソフト両面で、子育てに配慮した新築マンションを大阪市で認定するもので、ほとんど予算をかけずに大きな効果が期待できる、全国的にもユニークな制度である。
子育てに適したマンション供給の促進につながるとともに、認定されたマンションを大阪市が広く情報提供することにより、市内のみならず近隣地域からの子育て世帯の住まい探しに大変役立つものと考える。
既に2年間で1,000戸を超える認定住宅をさらに増やすとともに、その普及に向け、子育て世帯にとって、認定マンションであることが一目で分かるような表示方法を工夫するなど、制度の充実を図り、より効果的な制度としていく必要がある。
以上の点をあわせて、本市の少子化対策としての各施策について、御所見をお伺いする。
子育て世帯に対する住宅施策の推進は重要な課題であり、新婚世帯に対する家賃補助や、子育て世帯の住宅購入に対する利子補給制度などとあわせて、子育て安心マンション認定制度について、積極的に推進していく必要がある。
そのため、子育て支援施設に対する容積ボーナス制度の活用や民間事業者への積極的な働きかけを行い、年間1,000戸を目標に、子育て安心マンションの供給を促進する。
また、認定されたマンションが、よりわかりやすくなるよう、シンボルとなる認定マークを新たに作成し、ホームページや広報誌などに掲載するとともに、認定プレートをマンションに設置していただくなど、子育て世帯が住みやすいまちの実現に取り組んでいく。
今後10年の間にいわゆる団塊の世代が高齢期を迎えることから、高齢化の一層の進行が予測され、国民の4人に1人が65歳以上になると予測される。
介護が必要になったとき、様々な理由から、住み慣れた家での生活をあきらめて施設に入所せざるを得ない方もおられる。
一方、特別養護老人ホームについては、18年12月現在で、依然として全市で2,681人の待機者がいると聞いている。
国は、26年度には特別養護老人ホームなどの介護保険施設利用者について、要介護度4と5の方々の占める割合が70%以上とすることを目標とし、重度者への重点化を図るという方針を示している。入所したくても、要介護度が低いという理由で入所できない方への対策はどうか。
昨年4月に介護保険法が改正された。
ところが、実際に介護予防サービスを受けられる、要支援・要介護となる恐れのあるいわゆる特定高齢者については、国の把握基準が厳しいこともあって、本市では計画人数である1万6千人の1割にも満たない把握状況である。国は、本年4月から基準を緩和するということで、特定高齢者の数は増えると予想されるが、本市の事業推進方法に問題がなかったのか、また、今後どのように取り組まれるのかお伺いする。
特別養護老人ホームについては、平成20年度までに9,900人分を目標に計画的な整備を図っている。
新たな整備にあたっては、できる限り在宅に近い環境の下で生活できるよう、全室個室で居住性を高め、10人程度のグループで家庭的なケアをするユニット型特別養護老人ホームの整備を進める。
入所にあたっては、寝たきりなどの要介護度や生活環境により必要性や緊急性の高い人から入所していただいている。
一方、要介護度の低い方については、日常生活での自立の度合いなどに応じて、引き続き、可能な限り住み慣れた地域で生活できるよう、通所や訪問による居宅での介護サービスをはじめ、グループホームなどの地域密着型サービスの提供体制の整備促進に努めるとともに、地域包括支援センターなど相談体制の充実を図っていく。
また、介護予防事業については、事業開始からこれまで、市政だよりや情報誌等を活用して周知するとともに、普及講演会の開催などを行い、少しでも多く、介護予防事業に参加できるよう努めてきた。
しかしながら、国の決定基準が厳しく、計画数を大幅に下まわることが見込まれたことから、昨年11月以降、新たに大阪府医師会を通じ、高齢者の7割の方が受診される、かかりつけ医のご協力をいただき、参加者増に努めている。
要支援・要介護状態になることを防ぐこの事業の対象者を増やしていけるよう、19年度からは、国の基準見直しを踏まえ、介護予防事業の一層の充実を図るとともに、本市独自事業として、すべての高齢者を対象とする介護予防地域講座を開催する等、高齢者が自立し健康でいきいきとした生活を送れるよう支援していく。
大阪市では、平成18年12月現在でおよそ25人に1人は生活保護を受けておられ、19年度の扶助費の予算額は、2,320億円で、一般会計歳出の14.3%を占め、財政への影響は非常に大きくなっている。
生活保護制度は、制度創設以来、半世紀を経過する中、国民年金の受給額よりも保護費の方が高いといった制度矛盾も数多く見られ、市民感情として納得しがたく、既にモラルハザードを起こしている。
さらに、保護費の5割以上を占める医療扶助についても、一層の適正化を推進していく必要がある。
これまで我が会派が国家予算要望として求めているように、そもそも生活保護制度は国の責任において実施されるべきものであり、制度疲労をおこしている現状に鑑み、国に対して制度改革を強く求めていく必要があると考える。
増えつづける生活保護費は市政の最重要課題の一つであると認識し、主体的に自立促進策や適正化の推進を図る必要があると思うがいかがか。
生活保護制度は、憲法が保障する生存権の最後のよりどころで、生活保護法でも国の責任が明確に規定されている。しかしながら制度疲労が見られ、全国知事会・市長会では、昨年10月に高齢者のための新たな制度や、就労自立のための有期保護の創設、ボーダーライン層への支援などを「新たなセーフティーネットの提言」としてとりまとめ公表した。
また、本市では生活保護の申請時に収入や扶養援助、働く能力等の調査が厳格に行われるように、区役所に対する監査を実施している。
就労支援などの自立支援については、自立促進のためのメニュー等を独自に実施し、就労自立を図っており、平成19年度からは、本人が働ける能力を十分に活かしているか、どのような支援が適切であるかなどを、医師やキャリアカウンセラー等の外部の専門家の助言を得て検討する、稼働能力判定会議を新たに設置する。
医療扶助の適正化については、レセプト点検に加え、医療費についての認識を高めるために、医療費通知を送付している。十分な調査を行い、適正な保護適用に努めることはもとより、自立支援策を効果的に推進し、真に保護を必要とする人に有効な制度として市民の信頼を得ることができるよう努めていく。
市や区、消防、警察など、災害発生直後からこれらの機関が本格的な活動を始めるまでの間は、市民自らの行動と助け合い、いわゆる自助・共助により、被害を最小限に抑えることができる。
神戸市長田地区や「人と防災未来センター」を視察したが、震災直後に倒壊した住宅から助け出された人のほとんどは、家族や近所の人たちが協力して助け出したものであったとの話を聞いた。
現在、国民保護計画を策定中とのことだが、テロやミサイル攻撃など、危機事態が発生した場合にも、初動体制については同じことが言えると思う。
いつ起こるか分からない災害や危機事態に対して、どのような行動をとればよいのか、日頃から緊張感を持って、「失敗から学ぶ」という精神のもと、市民自らが、形式的ではない実践的な訓練など、体験を積み重ねることが必要ではないかと考える。
本市では、被害想定の見直しに伴い、19年度に地域防災計画を改定するが、計画の改定に合わせて、市民の自主防災活動に活用できるマニュアルを作成し、全戸配付していく。
このマニュアルの内容については、災害時の注意事項などの記述にとどまらず、市民がいざというときに必要となる日頃の備えや災害発生時の行動、避難時の心構えなどの事項について、具体的で分かりやすくより実践的なものにするなど、創意工夫していく。
また、市民の自主的な防災活動を支援するため、区役所職員と19年度に新たに設ける「防災アドバイザー」とが、連携して取り組む訓練やワークショップなどにおいても、このマニュアルを積極的に活用していく。
大規模災害発生時には、全市をあげて救助活動に取り組んでいくが、一方、被害を最小限に抑えるためには、地域での防災活動も不可欠なため、自助・共助の精神が市民一人ひとりに浸透し、地域での防災活動が一層推進されるよう、きめ細かな支援を行い、災害に強いまちづくりに努めていく。
「路上喫煙の防止に関する条例案」が上程された。
この条例案は、「路上喫煙禁止地区」における違反者に対し「過料1,000円」を科すなど、厳しい内容を含んでいる。今後、路上喫煙は一定、規制の対象となるわけだが、一方で、喫煙行為そのものは、あくまでも喫煙される個々人のマナーの問題であり、この条例の制定を、喫煙マナーの向上につなげていくためには、喫煙される方々の意識の向上と協力が不可欠。
そういった観点から、喫煙される方々の気持ちに配慮した施策の検討や実施、つまり「分煙(ぶんえん)」という考え方に立った「喫煙場所の確保」が必要であると考えるがどうか。
「路上喫煙の防止に関する条例案」については、健康や防災・防火、まちの美化といった観点から、市民の皆様が安心して暮らすことのできる、安全で快適な生活環境を確保することを目的としている。趣旨についても、他人に迷惑や被害を与えるおそれのある喫煙を規制し、一定のルールを守って喫煙することを促そうとするものであり、喫煙の自由や嗜好を否定したり、一律に禁止するものではない。
このような基本的考え方に立って、本条例案では、市内全域に努力義務を課すとともに、「路上喫煙禁止地区」を設け、違反者に対して過料を科すこととしているが、「喫煙マナーの悪いまち」という、大阪に対する一般的なイメージを払拭するためには、過料の適用も止むを得ないと考えている。
また、「喫煙場所の確保」についても、重要な課題のひとつであると認識しており、別途設置予定の「路上喫煙対策委員会」の意見なども聞きながら、慎重に検討したい。
今般、都市環境局環境部と環境事業局が統合されることにより、機能的な連携が図られ、従来よりも一歩進んだ環境施策を立案し、推進することが可能になったが、新環境局となって、どのように取り組みを進めていかれるのか。
本市が抱えている環境問題のひとつにヒートアイランドの問題があるが、緑化も有効な施策である。市民は緑豊かなまちづくりを望んでおり、長期的な視点で着実に進めていくことが必要です。公園や街路、河川など、公共空間での緑化、民間も含めて敷地内や屋上・壁面での緑化を推進していただきたい。
さらに、環境省で19年度新たに、民間事業者へのヒートアイランド対策補助事業として「クールシティ中枢街区パイロット事業」を募集し、その「モデル街区」について、大阪市中心部を対象に応募していると聞いてるが、このような国の補助制度を積極的に活用して、対策を進めるべきだと考える。今後、どのようにヒートアイランド対策を進めていかれるのか。
新たに再編する環境局は、環境保全対策や地球環境問題、まちの美化や廃棄物の適正処理など、両局が取り組んできた施策を総合的に企画立案し、持続可能な循環型都市、すなわち「環境先進都市大阪」の実現をめざすことを理念としている。
特に、環境保全の面では、製造や流通過程での大気汚染や騒音など発生源対策に加え、廃棄物の処理に至るすべての過程において、一貫した規制指導が可能となる。
また、ごみの減量やまちの美化など、市民が身近に感じている課題を通じて、将来の世代にも影響のある地球環境問題への取組の重要性などを幅広く啓発することも可能となり、両局が所管している市民啓発施設を有効に活用し、市民に適切な情報を分かりやすく発信するなど、再編の効果を生かしていく。
さらに、本市環境基本計画について総合的な観点から見直しの検討を行う。
ヒートアイランド対策としても効果がある緑化については、今後とも、屋上緑化への助成制度などを活用しながら、各種の緑化を促進していく。
また、大阪駅北地区や中之島西部地区など新しいまちづくりに合わせてヒートアイランド対策を実施していくことが重要であり、国の補助制度等を積極的に活用しながら、民間事業者の取組意欲を高めていく。
平成19年度は、ヒートアイランド対策取組事例集を取りまとめるなど市民・事業者等の協働を一層進め、ハード・ソフト両面で多様な施策を講じていく。
昨年12月、教育基本法が改正された。今回の改正で注目すべきは、教育の目標として「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」という条文が盛り込まれたことである。
私は、常々、子どもたちが日本という国を愛し、誇りに思い、美しい国を築いていこうとすることは、大変素晴らしいことであると考えている。ただし、「愛する心」というものは、人に強制されるものではなく、心の内(うち)に自然と感じるものであると思う。
また、国際理解や国際平和が叫ばれる現在、他国に敬意を払い、大切に思う気持ちはなくてはならない。しかし、自国に対する愛がなければ、他国に敬意を払うことも、愛することもできない。つまり、他国を尊重する気持ちは、自国を思う気持ちの上に成り立っている。教育基本法の改正は、国際社会で活躍していく子どもたちを育んでいくうえで、たいへん意義深いものである。
今後、学校教育において、日本の優れた伝統や文化について知識と理解を深め、これらに触れる機会をこれまで以上に増やし、子どもたちの愛国心を育ててほしいと思う。そして、自然な感性として国旗・国歌を尊重し、国を愛する態度を育てるという観点からも、卒業式・入学式のみでなく運動会や体育大会においても国旗掲揚・国歌斉唱が実施されるように、各学校に対して働きかけていただきたいと考える。
また今日、国際理解教育の一環として、小学校においても英語に慣れ親しむ学習が総合的な学習の時間で実施されていますが、それは意義あるものと考える。
しかし、学力の基本は、日本語の「読む」「書く」「聞く」「話す」ことにあり、それを十分に身に付けていなければ、英語はおろか、数学の文章題すら理解できないなど、あらゆる学習に影響を及ぼす。
子どもたちに確かな学力と豊かな情操を身につけさせるとともに、我が国の伝統と文化を尊重する態度を養う観点からも、国語は学校教育において、最も重視しなければならない教科だと考える。
私の実体験をふまえた教育に対する思いと母国と母国語に対する愛情を是非とも御理解いただき、大阪の将来を担う子どもたちに対する教育についての御所見をお伺いする。
新しい教育基本法の理念を踏まえて学校教育が行われることが重要と認識している。
子どもたちが我が国の良き伝統と文化に触れる機会を増やすとともに、我が国の国旗・国歌の意義を理解し、これを尊重する態度を育てることは重要であり、学習指導要領に基づき卒業式や入学式での国旗掲揚・国歌斉唱の指導はもとより、今後は運動会や体育大会等の行事を通して国旗や国歌に親しみが持てる機会が増えるよう努める。
また、国語力については、論理的思考力、感性や情緒、コミュニケーション能力の基盤である。子どもたちが社会状況の変化や様々な問題に柔軟に対応するためには、国語の重要性や果たす役割を踏まえ、国語力をより高める必要があると考える。
そのためには、国語力の中核である「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す力」の能力を育むよう、国語科はもとより全ての教育活動で取り組むことが重要である。
併せて、子どもが言葉を学び、感性を育み、表現力を高め、想像力を豊かにするには、読書活動も欠かせないと考えている。現在、小学校では215校、中学校では39校が読書タイムを設けている。また本年度より「学校図書館支援モデル事業」として、小学校24校において地域の方々や図書館と連携し、学校図書館活動の活性化に取り組んでおり、更なる拡充を図っていきたい。
このたびサンフランシスコ市では、半世紀にわたる本市との友好のシンボルとして、市内の通りに「大阪」という名を記すことが決定された。本市においても、答礼の意味を込めて、代表団が訪米する際には、今後の両市の友好の絆を表すものをサンフランシスコ市に提示できるよう積極的に検討する。
御清聴ありがとうございました。

