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平成19年2月16日の本会議において行われた市長の平成19年度予算案並びに関連諸案件の説明に対して、2月20・21日の本会議で代表質問が行われました。我が会派議員団を代表して、20日に美延映夫議員、21日に北野妙子議員よりそれぞれ行われた質問項目は次のとおりです。
| <<2月20日美延映夫議員 | 2月21日北野妙子議員>> |
美延映夫議員
私は、大阪市が新しい時代のモデルとなる都市として発展していくためには、大胆な発想で新たな制度をつくりあげ、職員数の削減や総人件費の大幅な縮減などは、いかなる抵抗もはねのけ、改革にまい進する決意を示すことが必要であると考える。
都市再生に向けた施策の充実、新産業の育成など大阪経済の活性化策をはじめ、教育の充実と施設整備、地域コミュニティの活性化、防災対策をはじめとする危機管理体制の充実などにより、安全で安心して暮らせるまちづくりを目指すなど、必要な施策については力強く取り組まなければならない。
このような観点から、以下、いくつかの問題について質問させていただく。
この度の予算は市政改革実行2年目の予算であり、改革を軌道に乗せて市民の信頼を回復することができるか、また、創造都市戦略の方向性を打ち出して大阪の未来への展望を示すことができるか、この2点を見定めるうえで重要な予算と言える。
歳出削減目標の達成を目指して人件費の圧縮等に取り組むことはもちろんのことであるが、市民の信頼回復のためには、情報公開に努め、施策の費用対効果を十分に検証しながら、これまで我が会派が指摘してきた地対財特法期限後の見直しや補助金等の見直しについても実行に移すなど、聖域なく内容の精査を行うことが重要な鍵となる。
また、削減だけでは都市の発展はなく、未来につながる施策の展開が必要であり、全国の自治体が目標とするような都市像をめざしていくべきであると考える。
平成19年度予算編成にあたり、どのような理念をもってのぞまれたのか、ご所見をお伺いする。
平成19年度予算編成にあたっては、「改革をゆるめることなく進めるとともに、市政を創造都市へのステージにも拡めていく第一歩の年」として位置付けることをめざした。
厳しい財政状況の中、前年度に引き続いて市政改革を断行するとともに、地対財特法期限後の事業等については、昨年11月に取りまとめた市の方針に沿って見直しを行うほか、補助金等についても、ガイドラインに基づいて全体項目の約3割にあたる見直しを行うこととした。
また、単に予算を切り詰めるのではなく、創造都市戦略の推進や、こども・青少年の健全育成の取り組みと安心して暮らせる地域づくりをめざした施策への選択と集中を図ることとした。
その結果、平成19年度の一般会計予算は6年連続のマイナスの緊縮予算としており、マニフェストの5年間の歳出削減目標に対しては5割を上回る達成率とした。
さらに、起債の抑制にも努め、起債残高を2年連続で減少することとしている。
市政改革のもう一方の大きな柱である歳入に関して、一般会計・特別会計合わせて約800億円にものぼるとのことである。非常に大きな金額であり、まじめに納めておられる市民は大変怒っていると思われる。
厳しい財政状況の中、歳入の確保は必要不可欠であり、収納率の低下は、負担者のモラルハザードを招きかねない。また、市民サービスの適正な水準を保てないと考える。
今後は、出来る限り新たな未収金を発生させない対策は勿論のこと、既に未収となってしまったものについても、早急に徹底した徴収を行うなど、市民にも理解されるような対策を講じていかなければならない。
この未収金について、どのような対策を講じられるのか、ご所見をお伺いいする。
各局が独自に対応してきたことにより、全庁的な情報の共有化や取組がなされてこなかった事に問題があると認識している。
このため、現在未収となっている800億円に対して徴収不能なものも含めて事業や債権の性質に応じた分類を行い、具体的な処理策を策定し、スピード感をもって計画的に対応するよう指示している。
また、新たな未収金を極力発生させない具体的方策や、発生しても早期に処理するためのマニュアルづくりなど、早急に講じていく。
さらに、徴収が困難な案件については、専門家等のノウハウを活用した、徴収体制づくりを進めるなど、スピード感をもって未収金対策を進めていく。
本市の一般会計では、区役所や小学校の建設をはじめとして様々な事業があり、その借入金も多額にのぼっている。特別会計である阿倍野再開発事業については、昭和51年度から事業を始め5,000億円にのぼる投資を行ってきたが、社会経済情勢の変動や事業の長期化などにより、事業収束時の収支不足額は2,150億円にのぼることが明らかになっている。土地信託事業についても、良好な運営状態にあるキッズパークもあれば、信託終了時までに債務の返済を行うには非常に厳しい状況にあるオーク200まであり、これを一律に同じ財務リスクと考えるのはいかがか。いったいどのようなものが財務リスクであると考えているのか。
そもそも財務リスクを明らかにする意義は、市全体として最も効果的に処理できる方法や時期を検討し、戦略的な処理に取り組むという趣旨であり、財務リスクについて、リスクを羅列するだけではなく、その性質毎に分けて、グルーピングするなどの観点で整理してはどうかと考える。また、早急に全体像をとりまとめ、各事業の方向性を出すべきではないか。ご所見をお伺いする。
さらに、大阪港埋立事業については、今後の埋立地売却等の見通しが不透明であり、将来的にリスクが顕在化する恐れがある。地価下落が続いてきた中、埋立地を全て処分しても企業債の償還等を含め埋立事業として収支の均衡が図れず資金不足に陥るのではないかと懸念している。既存の埋立地だけでなく、夢洲・新島を含めたリスクについて早急に具体的数値で示す必要があると考えられるが、ご所見をお伺いする。
財務リスクの要素としては、市債残高約5兆円のほかに、地方公社や外郭団体に対する債務保証や損失補償などがあるが、そのうち、特に経営収支の良好でない事業、あるいは外部委員から将来の経営の不安定さを指摘されたものなどを財務リスクとしてとりまとめることとしている。
第1に、阿倍野再開発事業や此花西部臨海土地区画整理事業など元利償還金を資産処分収入で賄う事業については、約2,410億円の収支不足が見込まれているが、税等に加え市有資産の活用により公債費財源のための補填を行う必要があると考えている。
第2に、約270億円の不良債務額を抱える準公・公営企業、約460億円の収支不足が見込まれる地方公社、約1,370億円の借入金などを抱える土地信託事業、その他損失補償をしている特定団体など経営収入で運営を賄う事業については、個別に抜本的な経営改善を図る必要があると認識している。しかし、これらは必ずしも全てが最終的に市の負担となるわけではなく、精査が必要と考えている。
第3に、360億円あまりの累積赤字を抱える国民健康保険事業については、本市の対策だけでは解決できない面もあるので、国において抜本的な制度改正がなされるよう取り組む必要がある。
こうした考え方にもとづいて、優先順位をつけて問題の解決を図っていくが、そのためにも、全体像については3月末までに明らかにできるように努める。
大阪港埋立事業については、現状では、今後5年間当面の資金不足は回避できる見込みであるが、地価が下落したため、埋立地を売却しても造成原価を回収できない状況となっており、資金不足に陥るリスクがあることは十分認識している。夢洲・新島を含めたリスクについての精査を現在鋭意進めており、19年度中には専門家の意見も聴いたうえで、具体的な数値とリスク対策及び夢洲・新島の方向性についてお示しする。
過日、市長は、市政改革マニフェストに基づき、各局長マニフェストに経営形態の見直しが掲げられていた10事業について、経営形態のあり方に関する今後の方針を公表されたが、それらの中にはこの間ほとんど俎上にあがってこなかった案件も含まれており、経営形態を変更する判断根拠について十分議論が尽くされていないという観が否めない。
そもそも経営形態の見直しは市政改革の流れの中で進められてきた取り組みである以上、今後の市政運営に対する施策的な意義が明確にされなければならないと考える。
そこで初めに、総論として、市政改革の取り組みにおいて経営形態の見直しの目的は何であったのか、ご所見をお伺いする。
次に、特に個別の4つの事業に絞ってお尋ねさせていただく。
第1に、今回、地方独立行政法人化に向けて予算関連案件として定款の制定等の議案が上程されている工業研究所についてである。当施設については、方針は1つに定まっているが、独法化によって何をするのか、職員の働く意欲の向上につながるのかといったことを含めて、これまで議論がなされてきていない。
国においては、独立行政法人の職員が努力して収入を上げても、その果実が運営費交付金の削減によって主務省庁に吸い上げられてしまい、結局、料金の値上げを余儀なくされたといった事例もあると聞いているが、これでは独立行政法人の制度的利点を損ない、いわば独立行政法人という名の「外郭団体」をつくるようなものだと考える。
こうした事態を回避し、弾力的で機動的な運営をいかに担保するかといった議論を含めて、スタートが大事であると思われるが、どのようなお考えで独法化を進めようとされているのかを明確にしていただきたい。
第2に、博物館施設群である。これらも法制度上の課題を抱えながらも、独法化を目指すという方針を示しておられるが、どういう見直しをするかは、本市の文化行政そのものが問われることになるとともに、創造都市戦略を展開するうえでも、位置づけを明確にすることが必要であると考える。
これらの施設群が、「官から民へ」の発想に馴染むかどうかは疑問であり、仮に独法化の道が開けたとしても、既に一部施設で導入されている指定管理者制度の問題点等も含め、どういう考え方で独法化を追求しようとしているのかが議論されぬままでは、認められるものではない。これについても、独立行政法人という名の「外郭団体」を作ってしまっては元も子もなくなると考えるが、ご認識をお示しいただきたい。
第3に、市民病院事業については、多額の不良債務を抱えるなど厳しい経営状況にあることから、外部委員による「市民病院経営検討委員会」の報告を受け、抜本的な経営改善を進めるため、当面、地方公営企業法の全部適用、いわゆる「全適」の導入を検討するという方向性が示されたところである。
市政改革の取り組みのなかで、今後の市民病院のあり方について明確な方向性を出したうえで、経営形態の議論との整合性を図らなければならないと考える。
最後に、交通事業であります。「改革型地方公営企業」と「株式会社」の2案に絞り、引き続き検討を進めるということであるが、両論併記の検討を継続することによって、結局どちらの経営形態でも事業として成立可能ということとなり、どの形態を選択すべきなのかという判断がつかないまま議論や検討がさらに続くこととなれば、交通事業運営の方針が定まらず、今後の経営改善の取り組みにも支障が生じないかと懸念されるところである。
何を基軸にして考えるのかが大事であり、基本的な検討の方向性が定まらないまま、議論に議論を重ねていくことは望ましくないと考えている。
今後検討を進めるにあたっては、当初に市長としての見解を示されるのが本来の姿ではないか。何を目指し、何をしたいのか、何を民営化と考えているのかといったスタンスを明確にした上で提案いただくことによって、議会としてもチェック機能を十分に働かせることができると考える。以上、4点について、ご所見をお伺いいする。
経営形態の見直しにあたっては、当該事業サービスが社会的要請に応じて安定的かつ継続的に提供されることが基本であると考えており、そのうえで、サービス内容の拡充や、財政負担の大幅な軽減が見込まれ、本市全体として新たな施策に対する財源の確保ができるという効果を目指すものである。
工業研究所については、業務における自主性を発揮できる地方独立行政法人化によって、迅速な意思決定と柔軟な運営というメリットを活かしながら、研究業務や企業支援サービスの高度化を図ることが肝要であると考えている。
法人化を契機に、研究分野の枠を越えた融合研究の推進や、大学や企業との連携強化による大型の競争的資金の獲得などに一層力を入れていくとともに、法人化の意義が、職員の意欲を喚起しながら十分発揮できるように、今後の取り組みを進めていく。
博物館施設群については、経済性だけで論じられるべきではなく、その経営形態の見直しにあたっては、施設の事業特性や今後の都市戦略の観点を踏まえて判断することが必要であり、市民サービスの向上を図るための有効な選択肢として、地方独立行政法人化の可能性を追求していきたいと考えている。
市民病院事業については、少子化の進む中で市民ニーズの高い産科・小児科医療や民間医療機関で対応が困難な高度専門医療等を中心に役割を果たしていかなければならない。そのためには、不良債務の早期解消を目指して、よりスピード感をもって改革に取り組む必要があることから、人事・給与制度の見直しも可能な経営形態として地方公営企業法の全部適用の導入について検討する必要があると考えている。
交通事業については、地下鉄・バスの公共交通サービスを将来にわたって持続可能で発展性のあるものとして提供できる形態は何かという観点から分析・検証を行った結果、「改革型地方公営企業」と「株式会社」の2案について、引き続き検討していくことにした。
先般、大阪市の将来の職員数として、25,000人という数字を示された。昨年策定された市政改革マニフェストで明らかにされた5年間における7千人を超える職員数の削減目標を十分とするのではなく、将来に向けた更なる可能性を示されたことについては、一定の評価をするところである。
しかし、このような数字を初めて示された今、それの意味するところを明確にし、大阪市として認識を共有化しなければ、ただいたずらに、市民サービスの低下、或いは日々業務に携わる職員の不安感につながってしまうのではないかと危惧されるところである。
そこで、この25,000人という数字が意味するものが何なのか、この数字の意義、これが新たな職員数の削減目標なのかどうかについての認識と、どのような考えに基づきこの数字を算出されたのか、今後、職員数の削減にどのように取り組んでいかれるのか、あわせてご所見をお伺いいする。
現時点での職員数の削減目標は、市政改革マニフェストで示した7千人を超える削減ということに変わりはないが、更なる取組のためには、将来の職員数についての分析が必要であり、市政改革室にヒアリングをさせ各局から得られた数字2万5千人を中間とりまとめとしてお示ししたものである。
この削減数については、他都市と比べて効率的でない執行体制がとられている分野については、民間部門の活用を進めるなど、事業分析結果を踏まえること、時代の変化に鑑み必要性の乏しくなった事務事業については縮小・廃止を図ること、事務の集約等により、効率的な業務執行が可能なものについては徹底した効率化をめざすこと、などを基本的な視点として、その算定に取り組んだところである。
今回示した数字については、折り込めていない事業の経営形態の方針の反映や官から民への更なる見直しなど、引き続き精査を進めるとともに、施策の展開、地理的特徴など大阪市の特性も考慮しながら検討を深め、マニフェスト期間終了後の更なる削減の具体的取組につなげていく。
昨年度末に、資産の有効活用という観点から、資産流動化プロジェクトを立ち上げ、全局の未利用地や事業予定地について情報の一元化を図るとともに、一定の基準を設け、処分や事業化などの活用方針策定のための分類・精査に取り組んでいるということである。
昨年9月に公表された未利用地等の総数は852件、約255万uにもなるとのことであるが、この中には、広く地域住民に利用されているコミュニティ用地や、真に必要な公共施設整備のために確保すべき事業予定地などが数多く含まれており、地域住民のためや将来の本市施策のために残す必要のある用地については、慎重に精査していただく必要がある。
一方、現下の非常に厳しい本市の財政状況を考慮すれば、税外収入として、市有地の売却代金は貴重な財源となるのであり、先ほど申し上げた負の遺産処理に当たっても、市有地売却による財源確保は重要な課題となってくると考える。このため、本市の保有する不動産を売却により換価し、流動化していく必要があるが、やみくもに売却ありきではなく、今後不足すると予想される歳入額を十分に考慮し、市有地の資産価値も斟酌の上、保有の必要性とのバランスを考慮して売却物件を抽出し、計画的に売却していくべきであると考える。
そういった意味で、この間公表された未利用地等の資産価値の総計はおおよそどのくらいと把握しているのか、また、現在進めている分類作業をいつまでに行い、売却する土地と継続保有や事業化する土地の分類結果をいつごろ公表するのかなど、今後の土地流動化の取り組みについて、ご所見をお伺いいする。
昨年度末に資産流動化プロジェクトチームを立ち上げ、未利用地等の情報の一元化を図り、昨年9月に公表したが、その総数852件、約255万uの土地の資産価値は、平成18年の相続税路線価ベースで算定すると約3200億円になる。この中には、公園や市営住宅などの事業予定地や、将来の街づくりのために継続して保有すべき用地、補助金が交付され公正かつ適正に管理されている児童遊園など、現時点で売却に適さない土地も数多く含まれており、その精査を進めている。
一方「中期的な財政収支概算」では、収支不足の補てん財源として、平成19年度からの4年間で毎年100億円の不用地売却代・合計400億円が必要とされているが、一方、負の遺産処理については、処理方針が明らかになった段階で盛り込むこととしており、更なる市有地売却による増収が必要ではないかと認識している。
現在、処分を検討するもの、継続して保有するもの、事業を実施していくものへの分類について、有識者による土地流動化委員会での審議を経ながら検討しているところであり、事業化の目処や継続保有の必要性を精査し、6月末までには分類結果を公表したいと考えている。
今回の「区政改革基本方針(案)」では、「区への権限移譲」が掲げられ、すでに平成19年度予算から、局から区への予算移管や各区からの直接要求が実施されている。
その際には、まず、各区が取り組む目標を明確にすること、また、その目標が区民のニーズや地域での課題といったものに裏付けられていることを明らかにすること、その上で事業実施後には問題点を検証・評価するとともに、それを公表し、区民の意見も聞きながら次年度以降の事業へと反映していく、こうしたいわゆるPDCAサイクルの考え方を、各区においても実践し、根付かせていく必要があるのではないか。
また、各区独自の取り組みを検証・評価し、効果的なものであればスピード感を持って他の区に波及させ、市全体のサービス向上につなげることが重要である。その取り組みを採り入れるかどうかは、各区が判断し、同時にその考え方なりを説明すべきであるが、その一方で全市的な観点からも検証・評価し、区相互の情報共有を行うなど、各区の検討を支援することが必要である。
こうした仕組みを通じて、効果的な取り組みは全市的に拡大させることが重要ではないかと考えるが、ご所見をお伺いする。
今回の「区政改革基本方針(案)」では、区役所が窓口サービスの提供にとどまらず、地域課題解決の拠点となり、市民の市政への参画の場となって、住民ニーズに合致した施策を効果的に展開することをめざすこととしている。
平成19年度から区予算を創設するなど、区への権限移譲に取り組むこととしているが、それに伴い、各区においてもこれまで以上に市民に対する説明責任を果たすという意識を強く持つことが重要である。
このため、平成19年度から、独自事業や改革項目などを記載した、各区ごとの「取組方針」といったものを、毎年度、市民にもわかりやすく工夫しながら作成して公表し、その検証・評価の際には、アンケート調査などによる効果測定も適宜行いつつ検証し、こうした経過も情報発信しながら、次年度以降の取組みへと反映していく。
さらに、各区独自の取組みについては、区役所間で競争しつつ、相互に情報を共有することで、市全体としても、より良いサービスの拡充へとつなげていく。
今般の予算編成に先立って、障害者や高齢者、子育て層などが置かれている状況を勘案し、市民サービスや市民負担のあり方の検討に際して、我が会派は他の2会派とともに、緊急要望を行ったところである。
この4月から、こども青少年局が発足することになっている。私自身も、3歳と1歳の娘を持つ父親として、新局がどんな施策を展開していくのか、これまでとどう違うのか、大いに関心を持っている。
次代の社会の担い手であるこども・青少年の健やかな育成と、子育てしやすい環境の整備は、「人」が都市の活力の大きな要素であるという本市の創造都市戦略にも合致すると思われる。
新局においても、積極的に各種施策を進めていただきたいと考えているが、これまでの関係局が集まっただけの寄り合い所帯が、従来と同じことをやるのでは意味がない。新局の発足によって新たに何ができるのかを明確にすることが大事である。新局のミッションと、設置の意義について、ご所見をお伺いする。
また、本市の施策が効果を発揮するには、行政の取り組みだけでなく、まず家族が第一義的な責任を有するのが当然であるが、地域の絆を強化することも重要であり、こどもを家族が育み、それを地域社会が支えるような社会をつくる必要がある。家族がその責任を持ちつつ、社会全体でこどもを育み、育てるという気運を醸成していくことが大切である。「こども条例」の制定について、ご所見をお伺いする。
こども青少年局の目標・使命は、生まれる前から乳幼児期を経て青年期に至るまでのこども・青少年施策の総合的な推進により、次代の大阪を担うこどもや青少年が個性と創造性を発揮していきいきと生きる社会、こどもを生み育てることに安心と喜びを感じることのできる社会をつくることである。
その実現に向けて、第一に次代の社会の担い手となる青少年の育成、第二に子育て支援機能の充実、第三にセーフティネットの確立などの経営課題を設定していく。
新局では、これまでに各局が積み上げてきた子育て支援とセーフティネットに関する施策について、こどもや子育てに関する総合的な相談体制の構築、放課後児童対策事業の充実など、組織再編のメリットを最大限発揮できるように取り組む。
さらに、こどもたち一人ひとりの個性と創造性を伸ばす視点も重視し、就学前児童健全育成プログラムの平成20年度策定に向けた検討や試行事業などに早急に取り組んでいく。
家族の第一義的な責任を前提に、社会全体でこどもの健やかな成長を支援するという意識の共有が図られるよう、「こども条例」の制定について、議会をはじめ各方面から広くご意見を承りながら取り組んでいきたい。
昨年12月に教育基本法が改正されたが、これは戦後レジームから脱却し、新しい時代にふさわしい日本の骨格を作るために、教育の理念や基本原則を改革するものであり、まさに歴史的な改正と言える。
また、本年1月には、国の教育再生会議から第1次報告が公表され、公教育再生への第一歩として、義務教育を中心に、初等中等教育に関する基礎学力、規範意識などを当面の課題として、学校はもとより、教育委員会、家庭、地域等が緊密に連携しながら、政府一体となって「社会総がかり」で取り組む方策を示している。
それらの方策の一つとして、「ゆとり教育を見直し、学力を向上する」ということが挙げられ、義務教育を中心に「読み書き計算」などの基礎・基本の反復・徹底を図ることを最優先に取り組み、併せて知識を生かす応用力を身につけることなどが示されている。
私としても、この提言には思いを同じくするものであり、学校教育においては、何よりも子どもたちに確かな学力を身に付けさせることが大事で、伸びる子は伸ばし、理解に時間のかかる子には丁寧にきめ細かな指導を行うことが必要であると考える。
しかし、2007年問題は教員においても例外ではなく、長年の経験から授業力を培ったベテラン教員が大量に退職していく中、優秀な人材を教員として採用し、それらの若手教員の授業力を大いに高めていく必要があるのではないか。
また、校長や教頭もこれまでと比べて経験の積み重ねが浅いまま任用されることになると思われるが、それらの管理職が若手教員の授業力向上に指導力を十分発揮することができるのか。教員の授業力の低下が危惧される中、子どもたちに確かな学力を身につけさせることが果たしてできるのか疑問があるところである。
これらの状況を見据えてどのような対応を講じていくのか、ご見解をお伺いいする。
現在、国では、教育基本法改正を踏まえ、授業時数の見直し等いわゆる「ゆとり教育」を検討する必要があるとされている。
今後、教育委員会としても、子どもの現状を検証し、国の方針等に対応しつつ、総合的な学力向上策の推進など更なる学校教育の充実に努めていく。
また教員の授業力については、優秀な人材を採用し、指導力の向上を図ることが喫緊の課題と認識している。
本市では、大学等と提携し、学校支援学生ボランティア事業を実施するとともに、教員の採用にあたっては、全員を対象とした面接を行うなど人物重視の選考を行ってきた。
今後、大学等と更に連携し、教員志望の学生に対し実践的な力を育成する取組みや、優秀な人材の確保のための採用選考のあり方等、総合的な方策について検討していく。
一方、若手教員の指導力向上には、若手教員に指導助言を行う体制を構築することが必要であり、新任の校園長及び教頭に対して、今後より効果的な研修を実施していく。
また、学校に校務の要となる首席を順次設置し、体制の充実を図るとともに、教員相互の指導助言の活性化に向け、指導力に優れた教員を指導教諭として配置していく。
市内に約500ある商店街は、市民の消費生活を支え、まちの賑わいを生み出すなど、地域経済の活力を創出するとともに、地域コミュニティの重要な担い手であると考える。
私の地元の商店街では、服飾デザインの専門学校と共同で、歴史ある建物を活かした魅力づくりに取り組んでおり、地域商業活性化の新しいモデルになるのではないかと思われる。
今後は、商店街だけではなく、市民や学校など地域の様々な主体と一体となって活性化に取り組むことが重要になるとともに、地域特性を活かした自主的な取り組みを促すべきと考える。
産業創造館では、企業ニーズに応える新しい支援メニューを開拓するとともに、地方独立行政法人化が予定されている工業研究所においても、技術開発の動きに即応した支援を行うなど、市場環境の変化にあわせ、それぞれの機能を高めていくことが必要ではないか。
また、経営革新を支援する産業創造館と、中小企業の技術支援を行う工業研究所が連携を一層強め、新事業創出の中核となって、大学や企業を巻き込んだ広範な産学官連携を促進し、新しいビジネスが次々と生み出される取り組みを進めるべきと考える。
新産業の市場創出には、息の長い取り組みが必要と考えるが、研究開発の成果や市場の将来性を、市民や企業に分かりやすく示し、より多くの企業等の参画を得ながら、次世代ロボットを、大阪経済を担う裾野の広い産業として着実に育てあげることが必要である。ご所見をお伺いする。
商店街振興については、商店街と地域が一体となった取り組みを促進する観点から、新たに、大学や専門学校との「商・学」連携事業や、商店街とその周辺の店舗等による共同事業も支援していく。
また、区役所の機能強化を図るなかで、地域に身近な区役所からの提案による「商店街活性化モデル事業」に取り組むなど、地域特性を活かした商業の活性化を図る。
地域企業の活性化に向けては、産業創造館では、販路開拓をはじめ意欲的な事業展開への支援を充実するなど、企業の経営革新につながるよう、常に施策ニーズの変化に対応した新規メニューの開発に努めていく。
また、工業研究所では、企業ニーズに応じた実用化研究の充実や、研究成果の移転を促進する産学官連携の強化を進めていく。
経営支援に強みを持つ産業創造館と、技術支援に実績のある工業研究所が、その機能を組み合わせ、大学や研究機関、企業と連携し、市場ニーズを先取りした研究開発プロジェクトに取り組むなど、新事業の創出につなげていく。
次世代ロボット産業の創造については、ロボットラボラトリーを拠点として、実証実験の支援や、ロボットビジネスに挑戦する起業家の育成などを通じ、ロボット開発ネットワークへの企業参入を促進するとともに、実用化に向けた取り組みを推進し、市場の創出をめざしていく。
また、新年度から、ロボット分野の技術開発の成果を競い合う「ロボカップジャパンオープン」を2年ごとに開催し、大阪を国際的なロボット開発拠点都市として内外に発信していく。
この地区は水辺の環境に恵まれ、市民はもとより大阪を訪れる多くの人々にも親しまれる魅力あるまちづくりが進行している。
創造都市戦略においても、中之島地域は大阪城周辺と合わせて創造コアを先導するリーディング・エリアとして位置づけられており、水と緑にあふれた大阪を象徴する学術・文化の回廊づくりに取り組むこととされている。
なかでも、中之島4丁目は、国立国際美術館があり、平成20年度に中之島線の開通が予定されるなか、周辺の民間開発も着実に進んでいるが、一方で、大阪市が計画している近代美術館や舞台芸術総合センターはともに事業化の目途が立っていない状況である。
この地区のまちづくりを一体的に進め、大阪を代表する文化ゾーンとしていくためには、近代美術館や舞台芸術総合センターを大阪市としてどのように実現していくかを明らかにする時期を迎えているものと思う。
創造都市戦略を確実に推進していくためにも、これらの施設について大阪市の明確な方向性を示して、中之島西部のまちづくりを推進していくべきだと考えるが、ご所見をお伺いする。
近代美術館については、収蔵作品の水準も高く、市民の期待も大きいことから、来年度には用地の有効活用や民間活力の導入など、市費負担を極力抑えるような整備手法について調査し、計画の策定に努めていく。
また、舞台芸術総合センターについては、民間文化施設等の整備状況を勘案しながら、当地区における同センターの果たす役割や、民間との共同による新たな整備手法について検討し、近代美術館の調査結果も踏まえた上で、早急に、実現の方向性を明らかにしていく。
大阪駅北地区においては、地区の西側に沿って、特急「はるか」や「くろしお」が走行しているJR東海道線支線の地下化と、これらの列車が停車する、新駅設置の計画がある。
この事業については、これまでの試算として、概ね500億円程度の事業費が必要とのことであるが、大阪駅北地区の全体開発にとって必要であるばかりでなく、地域や大阪経済の発展に寄与するものであり、本市だけではなく、関係者が応分の負担を行い、一丸となって、その実現をめざす必要があると考えるが、ご所見をお伺いする。
また、最近の新聞報道において、地下鉄西梅田駅・阪急十三駅間を連絡する鉄道新線に関する報道がなされている。
この路線についても、大阪駅北地区開発の一層の活性化につながるものと期待されるが、どのようにお考えなのか、あわせて、ご所見をお伺いする。
大阪駅北地区における2つの鉄道路線は、平成16年の近畿地方交通審議会答申第8号においても位置付けられている。
西梅田・十三間の新規路線については、鉄道ネットワークの充実・強化につながるものとして、現在、国を中心に、調査が進められているところであるが、その実現に向けては、物理的・技術的な課題や事業手法、費用負担の課題など、様々な課題が山積しており、関係者と連携して調査・研究を続けていく。
現在の東海道線支線の地下化等については、地域分断の解消や土地の高度利用、ターミナル機能の向上等の観点から、早期に具体化を図る必要があり、物理的・技術的な検討はもとより、公共事業としての実施のみならず、開発利益や鉄道事業者の受益も財源に含めた事業の枠組みについて、関係者との協議・調整を精力的に進めていく。
創造とは何なのか。それが、創造都市戦略によって明らかにされる必要があるが、このたび示された戦略案では、市民にはっきりとイメージされるものになっていないと思われる。
戦略案の副題は、「市民主導の創造都市づくり」となっているが、創造都市づくりに賭ける市長の思いが市民に伝わり、支持されるものにならなければ、いくら市民主導といわれても、市民は動こうという気にはならない。
大阪がいう創造都市の独自性がどこにあるのか、市長がお考えの創造都市とはどのようなものなのか、市民がイメージできるよう、わかりやすく語っていただく必要がある。
また、創造都市戦略案がわかりにくいのは、何に取り組むのかが、まだはっきりしないからだと思う。やはり、シンボル的な取り組みによって創造都市・大阪の姿を打ち出し、市民や企業の気運を盛り上げていく必要がある。
既存のストックを生かして、創造的な人材に活躍の場を提供し、多くの人が集まるところとして、この市役所をモデルにすることはできないか。
以前、私が訪問したシカゴ市役所もそうであったが、欧米では、市役所がシティホールとして、市民の誇りとなり、多くの人が集う文化の中心としての役割も担っており、観光資源ともなっている。
市役所は、海外からの賓客や多くの著名人が訪問される場所でもあり、シティホールコンサートのように、文化的な活用の仕掛けをさらに拡大することによって、市役所を、もっと市民が親しみをもって集えるような場所としていくべきだと思う。
そのことが、創造都市づくりの第一歩につながると、強く感じるが、創造都市づくりにかける市長の熱い思いをお伺いいする。
市政改革が一定の進捗をみて、大阪市全体の活性化に取り組んでいく環境ができつつあり、今後は、改革と合わせて創造へ、市政改革と創造都市戦略を両輪に、新しい都市経営に取り組んでいく。
創造都市戦略は、都市のインフラとなる人材の蓄積を生かして、芸術・文化、科学・技術などの創造的な人材を育成、集積し、その活動をビジネスにつなげ、さらに人材や企業が集まるという好循環を生み出し、大阪の活力を再生する戦略である。
こうした取組みには、市民・企業などの主体的な活動が不可欠であり、中之島・大阪城周辺、難波・御堂筋周辺、梅田・扇町周辺など、戦略案に掲げた5つのリーディングエリアにおけるシンボル的な取組みを、市民主導の創造都市づくりのモデルとしていく。
また、市役所は、リーディングエリアの一つである中之島に位置しており、クリエーターなど創造的な人材の発表や交流の場として活用していくことによって、市民や海外などからも多くの人に訪れてもらえる創造都市の拠点としていく。
こうした取組みを発展させながら、創造都市づくりを先導する公民協働のモデルとしていきたいと考えている。
確固たる決意を持って、こうした取組みを積み重ね、市民、企業等の活発な活動による市民主導の創造都市を実現していく。
関市長の明快なご答弁をお願いして、自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表しての、私の質問を終わらせていただく。
ご清聴、ありがとうございました。

